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Chrono24 × フラテロ トレンドレポート:Z世代が二次流通市場を席捲 ――ドレスウォッチが市場シェアを拡大、ロレックスは安定へ

ト-Z世代が二次流通市場を席捲 ――ドレスウォッチが市場シェアを拡大-ロレックスは安定へ

three popular watches
ポートレート写真 Johannes Förster

Johannes FörsterChrono24

  • Z世代がドレスウォッチ人気を後押し:2018年以降、Z世代におけるドレスウォッチの販売シェアは、他の年齢層が29%なのに対し44%増加。Z世代が購入する時計の12%がドレスウォッチに。
  • Z世代とカルティエ:Z世代におけるカルティエのシェアは、7年間で1.7%から6.8%へと4倍に増加。カルティエの市場全体のパフォーマンス(2.9%から4.8%)を大きく上回る結果に。
  • ロレックスは安定をキープ:市場を牽引するロレックスは、シェア33.7%と安定した数字をキープ。デイトナがサブマリーナーを抜いて、不動のデイトジャストに次ぐ人気第2位のコレクションに。

ドイツ・カールスルーエ/オランダ・ハーグ、2025年10月22日 – Chrono24とフラテロが共同でまとめた2025年上半期のレポートでは、Z世代が高級時計市場にもたらした変化が明らかに。これまで時計業界では、ステンレス製スポーツウォッチがその人気の中核をなしていましたが、若い購入者層の間ではスリムでエレガントなドレスウォッチへの明らかなシフトが見られています。一方で、ロレックスのような主要ブランドは、コロナ禍で起きた投機的な動きが弱まり、需要は安定をキープしています。 

カルティエがZ世代のドレスウォッチブームを牽引

Z世代は、これまで急激な変化とは無縁と考えられてきた時計業界に、スピード感あるファッションの要素をもたらしています。その恩恵を最も受けているのがカルティエで、Z世代におけるカルティエのシェアは7年間で1.7%から6.8%の4倍に上昇。二次流通市場ではタンクやサントスデュモンといったアイコンモデルの需要が高まりました。全年齢層で見てみると、カルティエのシェアは同時期に2.9%から4.8%へと65%の増加にとどまっていることからも、若いコレクターがカルティエのシェア拡大に大きな影響を与えたことは明らかです。

cartier market share

ドレスウォッチの需要が幅広い範囲で増加

ドレスウォッチの需要拡大は、カルティエ以外のブランドでも見られています。2018年以降、Z世代におけるドレスウォッチの販売シェアは、他の年齢層が29%なのに対し44%増に。現在、Z世代が購入する時計の12%はドレスウォッチで、全年齢層の中で最も高いシェアを誇ります。需要は低価格帯と高価格帯モデルへ二極化しており、€500~€2,000(約8万円~35万円)のエントリーモデルと、€20,000(約350万円)以上のハイエンドモデルのどちらかの価格帯を選ぶ傾向が強く、中価格帯では動きがあまり見られていません。

ロレックスがコロナ後の市場の正常化をナビゲート

ロレックスは33.7%という市場シェアで安定を見せ、投機目的による需要が減る中、市場を牽引する中心的存在としての地位を維持しています。コロナ禍に投機目的の購入によって高騰した価格は通常の水準に戻っています。コレクション別では、2025年上半期にデイトナがサブマリーナーを抜き、不動の人気を誇るデイトジャストに次ぐ2番目に人気のコレクションとなりました。このことは、主要モデルの需要が堅調であることを裏付けています。

「ドレスウォッチへの明らかな需要拡大から、これまでに高騰を見せていたセグメントにおける需要の正常化まで、新しい世代は二次流通市場を再構築する存在となりつつあります。今回の共同レポートでは、ブランド、小売業者、コレクターが自信を持って市場を読み解き、意思決定できる明確な知見を提供しています。」―― Chrono24最高事業成長責任者、ホセ・ガステル

「Chrono24のデータは、私たちがコミュニティで見てきたことを裏付けるものとなりました。Z世代のドレスウォッチ志向は、一過性のトレンドにとどまらず、時計収集における彼らのセンスと自己表現を再定義するものと言えるでしょう。今後も継続して観察を続けることで、これらの動向がリアルタイムでどのように展開するかを追うことができます。」―― フラテロ最高経営責任者、ティモ・ホルツ

広範な市場の回復力と選択的成長

主要なトレンドにとどまらず、二次流通市場は引き続き堅調に推移しています。オメガは、2024年下半期から市場シェアを4%伸ばし、11.3%で第2位となりました。熱心なファンの根強い支持を基盤とした、堅調なパフォーマンスを反映しています。チューダーIWCは、魅力的なラインアップと顧客層の拡大によって、前年の下半期からそれぞれ6.8%と4.8%増と最も好調な伸びを記録しました。ハイエンドブランドでは、パテックフィリップオーデマピゲが、コロナ禍の投機を目的とした需要のピークを経て、現在では時計愛好家の間で、安定した価格で取引されています。 

brand share

注目すべき動向

ドレスウォッチのシェアは、2023年以降急激に上昇した後、2025年上半期に初めてわずかな落ち込みを記録しました。これが一時的な安定を意味するのか、それともZ世代主導の新たなトレンドに向けた兆候なのか、今後の市場分析が注目されます。いずれにせよ、デザイン性が高く、よりスリムでエレガントな時計に対する需要へのシフトが進んでおり、定番のステンレス製スポーツウォッチを越えてシェアを拡大し、2026年に向けてのブランドのロードマップやコレクターの動向を形作ることが予想されます。 

分析について

本レポートに記載されている市場シェアは、Chrono24における実際の取引に基づいています。例:ロレックスの市場シェア33.7%は、2025年上半期のChrono24での販売総額の33.7%を意味します(上位10ブランドに限りません)。増減は対前期増減率のことを言います。例:シェアが10%から20%になった場合、100%の成長を意味します。

Chrono24 x Fratello Report

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